再々演を終えても尚、リアル

三月半ば、リアリティ・マイノリティ・パーソナリティの再再演をわが故郷で行いました。

初演は昨年10月路地テアトロにて、再演は今年1月同じく路地テアトロにて。

再演の時には、ずいぶん熟成されて透明度が増したとの評判でした

かなりハードな構成でしたがそうバテることもなく踊り切りました。

今年三月に故郷で踊らせていただくことになっていたので、この作品を持っていこうと決めていました。東京からもお越しいただき、実に三回目撃してくださった方もいて、とてもありがたく思っています。

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さて、再演といっても生理的感覚をプライオリティの上のほうに位置付けているので、どうしても季節とか時間の経過など・・・時には必要以上に敏感で、この厄介な感覚に振り回されこそしないものの、葛藤をします。

 

葛藤というのは、受け入れていい変化と受け入れるべきでない変化を如何に見極めるかというせめぎあいのことで、稽古の集中が増します。

踊りは自分の身体を使うために、自己と自我の両方の視点を秒殺で看取っていかなければならないのです。そのため、わたしは踊っている時には感情を排除します。

これは、長いダンス経験のなかで培ってきた術です。アスリートとしての極限も良き体験となり、いまではこのメソッドは『DEEP MOVEMNT』という名で、わたしのダンスメソッドとして体系化されています。

 

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そんなふうに稽古をしていっても、最終的には現場で決定されることがほとんどです。

現場にはその「空間」独特の波動があるからです。

劇場などの箱ではなく、ごく普通のカフェや公園など踊りを踊る場所としてつくられていないところを踊る場所に変えていく作業はとても楽しいものですが、非常に緊張感をともないます。単に幕や照明や音響機材だけの問題ではありません。この舞台機材たちも空間と融合するために活躍をしてくれます。そして、天井の高さや見通しや・・・・なにより、やはり波動です。

 

「劇場とお友達になる」術は、舞踏から学びました。

大野一雄先生・慶人が身をもって教えてくれたのです。

お蔭で、いまではわたしもそれが身についています。

空間には、その空間ごとに精霊が住んでいるものです。その精霊と仲良くして、その日の公演を見てもらったり、応援してもらったりします。

空間や波動に敏感になったのも、やはりアスリートだった時です。そこに舞踏の独特の感覚が身に付き、ストイックやらめんどうやら、こだわりやら・・・・第三者には心無い言葉をたくさん浴びせられてきましたが(笑)いまでは「空間」と対話ができるようになりました。

 

表現者は孤独で引きこもりがちです。でも、「空間」とお友達になれると、寂しいという感覚は無くなります。

なので、さらに引きこもってしまいそうですけど(笑)

 

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今回地元で踊らせていただいたカフェは、MaMaさんがいつもその空間を心地よく守っているので、いままでわたしが経験したことがないような波動を感じ、踊りも再演どころかとても素敵な発展をし、変容していきました。

 

キャリアをいくら積み上げても、これでいいというところに行かないのが芸術の運命です。だからこそ、たまらなくこの活動が好きなのですけどね☆

 

この度も素敵な「空間」を提供していただきありがとうございました。

どうぞ、足利にお越しの際は、

『Café杏奴』(http://cafeannu.com/)にぜひお立ち寄りください!

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