見る力

シアターΧ国際舞台芸術祭に新作「十二音と十二メタフィジカル」を発表するにあたり、異例の公開稽古を展開している。

目撃協力を申し出てくれた方々と一般公開稽古と本番入れて12回みなさまに普段は絶対に公開しない稽古や途中経過を目撃していただいている。

DEEPな見る力はそこにエネルギーというものが生れ、互いのエネルギー交流が生れてくる。

作品とはまた違う流れの中で交流しそれが作品に反映されたり、目撃者の何かに影響したりする。

わたしが、武道館など大きな場所で踊る競技ダンサーから転向した理由の一つに観客との真のエネルギー交流がしたかったということもある。

路地テアトロはまた格別な空間なので、この行いにはもってこいなのだ。

さて、今日のテーマ「見る力」は、もちろんわたしにとってはこの舞台活動と全く同じなのだけれど、あえてふしぎな友達プロジェクトの一環で昨日とても嬉しいことがあったのでそれをお伝えしようと思う。

 

昨日の夜は、みなさまお馴染みYUSO＆ATSUSHIのダンスレッスンだった。

今年も障がい者福祉センターのご配慮でego ipseを開催できるので、その準備が今月からそれぞれのチームごとにスタートしている。今年は例年にないゴージャスなダンス祭りになりそうだ。

 

先ず、昨日夜の出来事を時系列で。

YUSO＆ATSUSHIのダンスレッスンの前にボーンメソッドのレッスンがあった。

少し早目に到着したYUSOがスタジオ入り口に入ってわたしのレッスンを見ていた。

静かな波動で、レッスンを邪魔しないようにしているのがわかる。気配を消すほど研ぎ澄まされた空気だった。

そして終了の言葉を発したと同時に、ナント！拍手をしてくれた！

嬉しいではないか！YUSOは音楽も一回聞いただけでその楽曲構成を覚えてしまうくらいだから、ボーンメソッドに関してもその理念をいち早く察知した様だった。「なるほど。」と言っていた。これはあながちウソではないと思う。

 

さて、次いですぐにYUSO＆ATSUSHIのレッスンが始まる。今年のego ipseでこの二人のセンスや精神や身体能力やダンス力の良さをどういう曲と振付なら、観客に伝えることができるだろうかと、いつものように全身全霊で考える。

やっと閃いた構想を今日はまず試してみようと思って、音楽を聞いてもらった。

音楽がかかるや否やATSUSHIは満面の笑みを浮かべ踊り出した。

YUSOは、例のあの特殊能力で楽曲をインプットし始めた。

よし！気に入ってくれたみたいだ。先ず、第一関門突破。

 

振り付けは、まずは音楽のハイライトシーンをピックアップしてそこでどんな振りと演出にするかをその場で降ろす。

これは、ものすごい集中と閃きとテクニックといろいろが数秒で上手くいかないと彼たちの迅速な対応に間に合わなくなる。わたしが一番緊張する瞬間だ。

今日は詳細は控えるけど（言葉より見てもらうのが一番）、いままでで一番冴えていたかもしれない(^^;)

そして、思った以上の能力を出してくれたATSUSHIとYUSOに感謝。

 

本人たちのやる気に勝るものはないけれど、実は昨日はこのブログのテーマの「見る力」のエネルギーが大きく働いていたことも確かなんだ。

ボーンメソッドの生徒さんが、自然な形でそのまま見ていてくださったのだ！

頼むでもなく、申し出るでもなく。当たり前のようにそこにいて、アリがちなお慈悲の目線でもなく、ただただ見てくれた。

これが「見る力」の最大のエネルギーを発する状態。これは舞台でもそう。批評しようと思っていたり、意味を考えたりしながらでは絶対に生まれない見るエネルギー。

さすが、我がボーンメソッドの生徒さんだ！とわたしはそのエネルギーを感じながら感謝の気持ちでいっぱいだった。

 

明らかにそのエネルギーがYUSOとATSUSHIのさらなるパワーアップに繋がっていた。

これなんだ！と真から思った。

わたしがいま公開稽古で得ているエネルギーと一緒だ。

わたしの芸術の根源が彼たちとのダンスやそれを取り巻く環境と一緒なんだと実感した。

彼たちはそれを受け取る力がある。

YUSOの天才的な能力とATSUSHIの類まれなるやる気を見れば、彼たちがそういうエネルギーをキャッチできるであろうことは確信できる。

「見る力」いいね♪

昨日の生徒さんに感謝。それこそボーンメソッド＝DEEP MOVEMENTの理念の実践ではないか！